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物神社 わるものじんじゃ


割物神社は、初蘭町の象徴でもある亜色山(あじきざん)を御神体とする、由緒ある山岳信仰の神社です。
現在の社殿はおよそ600年前に建立されたものですが、亜色山そのものを神として敬う信仰はさらに古くから続いており、古来より里人の暮らしと深く結びついてきました。

境内では、亜色山の土を用いて作られた「壷」を神器として大切にお祀りしています。
この壷は、神さまから授かった特別な器とされます。壺の中に水や食物、薬草、狩猟道具など納めることで、それらは「神さまのご加護」を得た神聖なものとなり、町に豊穣をもたらすと信じられてきました。

こうして一年間その役目を果たした壷は、神主の手によって丁寧に割られ、再び土へと還されます。
これは、壷を神さまのもとへお返しすることを意味しています。
そして、新たに亜色山から授かった土で壷を作る神事が「割物の儀」です。
火山や水源、神霊の宿る山への感謝を表すこの儀式は、自然の循環を大切にする習わしとして、今も大切に受け継がれています。

この「割物の儀」は、9月の例大祭「わるもの祭」にて執り行われます。
また、観光シーズンに合わせ、8月にも同名の「わるもの祭」が開催され、より多くの方に親しまれています。

 


るもの祭
 

かつてこの地域では、旧暦七月十五日から八月十五日までのおよそ一ヶ月間、長期にわたる行事が行われていました。これは現在の暦では、8月のお盆から9月の仲秋の名月の頃にあたります。この長い行事は、時代の移り変わりとともに人々の暮らしや観光の流れに合わせて変化しました。
それが、8月に行われる「迎祭(むかえまつり)」、そして9月の「例大祭」です。
二つの祭りをあわせて、現在では「わるもの祭」と呼ばれています。

迎祭は、その名の通り、神さまをお迎えするためのお祭りです。黄昏時と呼ばれる昼と夜の境の刻、神さまの乗り物とされる「山車(だし)」を町の入り口から神社まで曳き、町民総出でお迎えに上がります。お囃子が町に響き、縁日が開かれ、にぎやかな雰囲気の中で神さまをもてなすのが、この迎祭の風景です。
続く例大祭は、神さまが亜色山へお帰りになる日とされています。この日には「割物の儀」が執り行われ、一年のあいだ授かっていたものをすべてお返しすることで、わるもの祭は静かに締めくくられます。

このような祭りの成り立ちから、初蘭では「神さまは、外から訪れ、やがて去っていく存在」と考えられてきました。
その思想は今も町に息づいており、初蘭を訪れてくださるお客様もまた、大切な「訪れ神(まれびとさま)」として迎えられています。


の院

奥の院は、正式には「割物神社奥宮(わるものじんじゃ おくみや)」と呼ばれています。
この奥宮は、割物神社のかつての本殿にあたり、現在も9月の例大祭では、最も重要な神事である「割物の儀」が執り行われる特別な場所です。
亜色山の山頂付近に位置しており、急峻な山道を進む必要があるため、参拝は容易ではありません。
そのため、明治初期に町に近い場所へ本殿が移され、現在では日常の参拝や祭事は割物神社にて行われています。

静かな山中に佇む奥の院は、亜色山そのものへの信仰を今に伝える存在として、大切に守られてきました。
人の手が入りにくい環境だからこそ感じられる、厳かで澄んだ空気も、この場所ならではの魅力です。

朱印

 

社務所では参拝の記念として神職による手書きの御朱印をお授けしています。
一枚一枚丁寧に書き入れられる御朱印は、訪れた証として多くの参拝者に親しまれています。
御朱印は、参拝内容に応じて以下の二種類があります。


「割物神社」
 割物神社の本殿を参拝された方にお授けする御朱印です。

「亜色山」
 亜色山への登拝を果たされた方にお授けする、登拝記念の御朱印です。

なお、御朱印はすべて手書きのため、授与にお時間をいただく場合があります。
また、天候や祭事の都合により対応できないこともございますので、あらかじめご了承ください。

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